JR東海が2027年に開業予定しているリニア中央新幹線の工事着工が困難となり、開業延期が現実味を帯びてきたようです。一連の報道によると環境保全の問題について周辺自治体との調整が着かず2020年6月内の工事着工が難しいため、事実上の計画見直しとなりそうな模様です。
先行開業予定の品川~名古屋間では移動時間の短縮による東京への一極集中の見直しにより本社機能を名古屋に移すなど、不動産業界にとっても活性化が期待されていました。国土交通省の「TOKAI VISION のアクションプラン」によればリニア開業により2時間圏内の本社数、事業所数は名古屋起点が東京、大阪よりも最も多くなると試算されています。
また神奈川や山梨、岐阜県などのリニア沿線途中の駅がある自治体や企業は開通を見込み予定駅周辺でまちづくりを進めており、周辺地価の上昇にもリニア経済効果は期待されていました。このまま計画が長期延期されれば加えて地方の観光業などにも少なからず影響が及ぶことが懸念されます。
国家的プロジェクトであるリニア開業による不動産市場の活性化に対する期待感がしぼまないよう今後の打開策に期待したいです。