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全国で空き家の数は平成30年時点で846万戸であり、平成25年時点より3.2%の増加となっており毎年増加しています。この実態を踏まえ令和2年12月に「令和元年空き家所有者実態調査報告書」が発表されました。
本調査は、平成30年住宅・土地統計調査(平成30年10月1日現在)において「居住世帯のない住宅(空き家)を所有している」と回答した世帯から無作為に抽出した世帯に調査票を郵送し集計したものです。
この報告書によると空き家の利用現況としては「二次的住宅・別荘用」が25.8%、「賃貸用」が4.4%、「その他(物置、長期不在、取壊し予定の空き家等)が52.8%となっています。
空き家の取得経緯としては「相続」が54.6%と最も多く、次いで「新築・建て替え」が18.8%、「中古の住宅を購入」が14.0%となっています。
登記または名義変更にの有無ついては空き家を取得した際、「名義変更を行った」が55.6%と最も多く、次いで「新たに登記を行った」が21.1%となっているが、「いずれも行っていない」は15.3%となっています。
年間の維持管理に要する費用としては「5~10万円未満」が18.0%と最も多く、次いで「3~5万円未満」が14.6%、「10~20万円未満」が14.2%、「1~3万円未満」が13.3%となっています。
買い手・借り手の募集状況としては「募集中」が39.4%と最も多く次いで「まだ何もしていない」が38.2%、「募集の準備中」が14.4%となっています。
賃貸・売却する上での課題としては「買い手・借り手の少なさ」が42.3%と最も多く、次いで「住宅の傷み」が30.5%、「設備や建具の古さ」が26.9%、「リフォーム費用」が21.4%となっています。
人口減少や新型コロナウイルス感染症の影響による景気停滞の中、空き家の件数は今後も増加が見込まれますが、空き家の処分、活用の手段として空き家バンクへの登録や定期借家制度の活用も考えられます。

参考資料
・総務省統計局「H30年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計 結果の概要」2019年4月26日
・国土交通省住宅局「令和元年空き家所有者実態調査報告書」2020年12月16日