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固定資産税評価における一体画地認定の判例について

固定資産税評価において、一体画地認定における土地利用課税に関し最高裁判例が出された。従来の各市町村において課税を行ってきた課税慣行において大きな転換点とみられている。各市町村の固定資産税課税実務において状況に応じた評価の再検討に迫られている。今後の固定資産税評価実務における検討課題として下記判例を紹介したい。
【参考判例資料】
高松地方裁判所 平成22年(行ウ)
第1号 固定資産評価額審査決定取消請求事件
平成22年10月25日判決
高松高等裁判所 平成22年(行コ)
第32号 固定資産評価額審査決定取消請求控訴事件
同35号 附帯控訴事件
平成23年12月20日判決
最高裁判所 平成24年(行ツ)第112号、平成24年(行ヒ)第129号
平成25年7月5日決定
(係争対象地の概要)
3筆で一画地として評価されていた土地で、うち2筆の店舗敷地は、沿道型の店舗が存し、残る1筆は、当該店舗の駐車場として利用されていた。駐車場地は店舗の所有者に駐車場として賃貸され、「お客様用駐車場」などと書かれた看板が設置されており、店舗用の駐車場であることが明らかであった。また、3筆の外周は、幹線道路に面した出入口付近を除いて一体のフェンスで囲まれていた。加えて、店舗土地は東側国道及び西側道路に接していたが、 本件駐車場地は国道には接しておらず、西側道路にのみ接している状況であった。
(画地認定に係る判決内容)
利用状況から、駐車場地を宅地である店舗敷地と一体利用がされているものとして一画地をなす宅地とみることにも一応の合理性がある。しかし、所有者を異にするにもかかわらず駐車場地と店舗敷地とを一体として取引の対象とするのが社会通念に照らして合理的であるとまで認めることはできない。また画地計算法の適用において駐車場地と店舗敷地を区分することが、客観的な交換価値から乖離する場合に該当するということはできない。したがって、駐車場地と店舗敷地は別個に評価することが相当であるとしている。