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アメリカ景気指標

昨年2016年は、アメリカは大統領選一色の年であり、経済情勢もそれに連動する形を取っていた。予備選の始まった2016年2月を含む2015年12月から大統領選投開票のあった、2016年11月まで1年間の各指標を検証すると、

ケース・シラー住宅指数(20都市): + 5.4%  (S&P Case Shiller home price indices)
ケース・シラー住宅指数(10都市): + 4.7%
消費者景気信頼感指数     : +13.6% (Consumer Confidence Index)
消費者物価指数        : + 2.1% (Consumer Price Index)
製造業景気指標        : +10.8% (ISM Manufacturing Report on Business)
ナスダック総合株価指数    : + 6.3% (NASDAQ Composite Index)
NYダウ工業株価平均      : + 9.8% (Dow Jones Industrial Average)

となっている。どの指標も大きく伸びていることが分かる。しかし内容をみると動きは様々なようである。
アメリカ住宅市場を表すケース・シラー住宅指数は、前年から引き続き伸びているが、2016年7月頃を境に急激に伸び率がなくなっており、9月から現在までやや横ばいに近い状況にある。
また主要10都市よりも主要20都市の方が伸び率が高く、地方からのトランプ大統領への期待の高さが伺われる。

一方順調な伸びを示しているのはナスダック、NYダウ両株価指数である。その前年はナスダックは7.9%の伸びに対して、ダウ工業株価平均は-0.6%と逆の動きをしていたのに、今年はダウ工業株価平均の方が伸び率が高くなっている。これは、ナスダックは新興企業が多く入っているのに対して、ダウ工業株価平均は、元々製造業を中心とする大型の企業が多くを占めていることもあり、トランプ大統領の製造業への後押しが急激に株価に反映されている可能性がある。論拠として、昨年は-11.8%の下落をみせていた製造業景気指標は10.8%と大きく上昇しており、さらにトランプ大統領が当選確実となった11月から1月までに5.3%と大きく上昇している。

不動産に関しては、この先、安定した経済の伸びが維持される場合には、再び価格や需要に影響を与えていくものと考えられる。