2019年3月、国土交通省は国土交通分野のインフラシステムの海外展開に向けて、関係者と情報・戦略を共有し、官民一体となった取組を進めるため、「国土交通省インフラシステム海外展開行動計画 2019」を決定した。
政府は、2019年度の計画において今後3から4年に注視すべきプロジェクトとしてASEAN諸国や欧米、アフリカ等の地域で83のプロジェクトを挙げている。これらのプロジェクトにおいて政府は日本企業の受注に向け、トップセールスやハード・ソフトの両面での支援等を行っていくこととした。
下記に各分野の主なものを挙げる
1.鉄道分野
インド:ムンバイ・アーメダバード間高速鉄道計画(日本の新幹線システムを利用してムンバイからアーメダバード(約505km)を結ぶ高速鉄道を整備する事業。)
2.港湾分野
カンボジア:シハヌークビル港新コンテナターミナル整備事業(シハヌークビル港にコンテナターミナルを整備する事業。)
3.空港分野
ミャンマー:ハンタワディー新国際空港整備・運営事業(ヤンゴン首都圏の増大する航空旅客需要に対応するため、ハンタワディー新国際空港(3,600mの滑走路1本、年間旅客1,200万人対応)を建設及び運営する事業。)
4.都市・不動産開発分野
タイ:バンスー駅周辺都市開発事業(都市鉄道や空港線等のターミナル駅となるバンスー駅の周辺(約90ha)を整備する都市開発事業。)
5.水分野
インドネシア:ジャカルタ下水道整備事業(14の処理区のうち、第1処理区、第6処理区を優先プロジェクトとして、整備する事業。)
6.道路分野
インド:北東州道路網連結性改善計画(インド北東州において、地域内および国内外他地域との連結性向上のために国道51号、54号等で国道の改良およびバイパス建設等を行う事業。
日本国内では少子高齢化等の進展により開発需要の減少が予想されるなか、アジアの新興国を中心とする膨大なインフラ需要を取込むことにより、日本の持続的な経済成長を図ることが目的であるが、中国や韓国等との受注競争は熾烈化している。