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森林経営管理法について

2019年4月1日から新たに森林管理経営法及び施行令が施行される。
森林管理者や森林の近隣に居住する森林所有者または人口自体も減少傾向にあることによる森林の管理の適正化を支援・管理する法令となってる。

具体的にはこれまで森林所有者が直接林業経営者に直接経営管理を委託するか、森林所有者が直接経営管理していたが、新たな制度では、森林所有者から市町村が意向を確認の上、委託を受けて経営管理することが可能になり、そのシステムが構築されることとなった。そこから林業に適した森林は林業経営者に経営管理を再委託され、林業に適さない土地は安全管理等のため市町村が管理するといった流れになる。

国内の山林は、戦後から植林され、多くの利用可能な人工林が増え、木材自給率も上昇している。資源が循環される社会を実現するため、また災害防止や地球温暖化防止など森林の公益的機能の維持増進のためにもこのように森林の経営管理がスムーズに行われていく必要があるものと考えられる。

またそれに伴い、同法第35条により、市町村は、経営管理権を有する森林について、民間事業者に経営管理実施権の設定を行おうとする場合には、経営管理実施権配分計画を定めるものとすることになる。

また、現在問題となっている所有者不明山林への対策として、森林所有者の一部又は全部が不明であることが明らかとなった森林について経営管理権集積計画を定めようとする場合は、不明森林共有者等を探索し、なお不明の場合は、その旨及び経営管理権集積計画を公告し、所有者不明森林については、さらに都道府県知事の裁定を経ることで、当該森林について経営管理権集積計画を定めることができる。そしてその公告をもって、市町村が経営管理権を取得することとなる。

また、市町村が経営管理権集積計画を定めようとする森林で、経営管理意向調査を行っても確知森林所有者が経営管理の意向を示さない森林、又は確知森林所有者が自ら経営管理を実施する旨の意向を示したにもかかわらずその後経営管理を実施していない森林についても、一定の手続きを経て市町村が経営管理集積計画を定めることができる。同様にその公告をもって、市町村が経営管理権を取得することとなる。

新たな権利が発生していくことから、宅地建物取引上の説明すべき重要事項として位置づける、宅地建物取引業法の改正が同時に行われた。

森林法・森林計画制度等とともに森林を支えていく制度となることと思料される。