平成27年秋ごろ発覚した横浜のマンション傾き事件は、マンションを支える杭が支持層地盤に届いていないのに届いていたとするデータ改ざんの事件である。4棟のうち3棟にデータ改ざんが見られ、そのうち1棟が実際に傾いていたとされる。これに伴って、当該マンションの販売事業者は全棟建て替え及びその間の補償も行うという処置が発表された。しかし、棟の分かれた区分所有建物を建て替えるためには、区分所有者及び議決権のうち、全体で5分の4、マンション各棟で3分の2以上の賛成を集めなければ建て替えられない法律的な要件がある。4棟のうち1棟はデータ改ざんも傾きもなく不具合もないため、移動等を希望しない居住者に対し建て替え賛成を集めることはかなりの困難が予測される。今後の対応等を含めた推移を見守っていきたい。