日本語 English
不動産鑑定・コンサルティング・情報分析 ハイビックス株式会社
お問い合わせはこちら

宅地における大規模盛土造成地について

2021年3月で東日本大震災の発生から10年が経ちました。しかし大震災からのその後も地震により繰り返し全国の宅地に被害が発生しています。日本の国土は平地が約3割で、残りの多くは山地に囲まれていますが、人口の増加による宅地の確保のため切土や盛り土をして「大規模盛土造成地」が作られてきました。大地震等により大規模盛土造成地において「滑動崩落」が起こり甚大な被害が生じています。

 

1.大規模盛土造成地とは

盛土造成地のうち以下に該当するものを「大規模盛土造成地」と呼びます。

1)谷埋め型大規模盛土造成地で盛土の面積が3,000m2以上

2)腹付け型大規模盛土造成地で盛土する前の地盤面の水平面に対する角度が20度以上、かつ、盛土の高さが5m以上

 

2.滑動崩落とは

谷間や山の斜面などにおいて盛土造成された一団の宅地が、 地震による大きなゆれによって滑ったり崩れたりする現象のことです。

 

(国土交通省『大規模盛土造成地マップについて』より掲載)

 

東日本大震災では宅地造成等規制法等の改正後の2006年以降に造成された宅地においては被害の発生が無く、滑動崩落の被害を受けた宅地の多くは1970年代以前に造成されており、しっかりと土を固める工事を行わないと沈下や地滑りなどの危険が生じる盛土に集中していること等が明らかとなっています。

 

(東日本大震災による仙台市における宅地被害状況 出典:仙台市都市整備局建築宅地部開発調整課)

 

令和3年3月現在で確認されている大規模盛土造成地は、全国1741市区町村のうち999市区町村に50,950箇所あります。(国土交通省発表 別紙1参照)  国土交通省では、大規模盛土造成地マップを作成し令和2年3月30日までに全国で公表を完了しました。しかし、安全性把握に着手したのは64市区町村(着手率6.4%)、うち完了済は39市区町村にとどまっています。今後令和7年度末までに着手率を60%にすることを目標としています。

宅地造成等規制法では地震によって被害が生ずるおそれが大きいひとまとまりの造成宅地を、「造成宅地防災区域」として指定することになっていますが、現在宅地が大規模盛土造成地に含まれていても、宅地建物取引業法に規定する重要事項説明書に記載する必要まではありません。大規模盛土造成地すべてが危険な土地というわけではありませんが、自分の住んでいる地域が該当するか状況を把握して防災意識を高めることが必要でしょう。

(全国の大規模盛土造成地の分布は国土交通省による「重ねるハザードマップ」で確認できます。https://disaportal.gsi.go.jp)