GISとはGeographic Information Systemの略称で、日本語では地理情報システムと訳されます。簡単に言えば電子地図、身近なところでは「Google Map」がそれです。恐らくパソコンやスマートフォンなどで、1度は触れたことがあるでしょう。元々は紙で取り扱うことが当たり前だった地図を電子化することにより、従来とは違った価値を見出すことができるようになりました。
図 1 グーグルマップの画面
大きなメリットとしては持ち運びが楽になりました。電波が届くことという条件がつきますが、スマートフォンさえあればどこでも気軽に地図を利用できます。それに加えてGPS(Global Positioning System。日本語訳:全地球測位システム)との連動により、現在位置をリアルタイムに照会(ナビゲーション)することができるようになりました。またいろいろな地図やデータを統合させることによりその表現は無限大であり、様々なシチュエーションにおける多様なリクエストに対応できます。
ただしデメリットもあります。上記で述べた「地図」や「データ」は自分たちで用意する必要があり、それにはお金や時間がかかります。オリジナルの情報には高い付加価値が付きますが、それを準備するにはコスト負担が必要です。
Wikipediaによると「オープンデータ(Open Data)とは、特定のデータが、一切の著作権、特許などの制御メカニズムの制限なしで、全ての人が望むように利用・再掲載できるような形で入手できるべきであるというアイデアである」とあります。基本的には誰がどのように使用しても良い、著作権もなければ使用料も発生しないというものです。
オープンデータは国や地方自治体などの公的機関が公表しているものがほとんどです。
【地図系】
国土地理院 https://www.gsi.go.jp/
G空間情報センター https://www.geospatial.jp/gp_front/
【データ系】
政府CIOポータル https://cio.go.jp/policy-opendata
自治体オープンデータ https://www.open-governmentdata.org/
一般的には背景地図を準備し、領域(国や都道府県など)に対してデータを割り付けます。例えば各国の人口、GDP、平均年齢等、分析に関するデータを重ね合わせて表現することができます。
【例】
人口に関して・・・人口分布、人口変遷(時系列)
経済に関して・・・GDP、輸出入、地価の変遷(時系列)
災害・事故・・・ハザードマップ、事故発生率、危険個所予測
住所の一覧などに比べ、地図に表現することにより大きさや形、位置関係などが容易に把握できます。また時系列データを利用することにより変遷を表現できます。
G空間情報センターに公開されている「公開データセットを活用した立地適正化計画の策定に係る基礎的検討 (https://www.geospatial.jp/gp_front/show_case/hadano_city)」をご参照下さい。かなり手の込んだ分析のサンプルを見ることができます。
こちらは東京都の建物倒壊地域を表したものです。引用元:google クライシスレポート
図 2 東京都の建物倒壊危険地域
GISはコンピュータプログラムとの相性が良く、これらの多種多様なデータの分析を高度に自動化し、結果を迅速に得ることが可能です。当社においてもこのような有益な資源を有効活用し、新たな付加価値を得ることのできるシステム開発を目指してゆきたいと思います。