日本の農業は専業農家及び兼業農家の高齢となった農業従事者の引退に伴い農地の耕作放棄地が増え続けており、将来の担い手問題も含めて課題を抱えている。肝心の国内農業従事者が年々激減していることが、将来の日本の農業において心配される点である。国内の耕作面積は下記表のとおり、急速な減少傾向を見せており、農業生産高も減少の一途をたどっている状況のようである。
これに対し、農産物輸出額は約3394億円(平成11年)から約4966億円(平成29)と増えたことだけが明るい部分といえる。これは、日本の農産物の品質を海外が認めていることに起因して輸出額が増加していってるものと推察される。
昨今の農業の動きにおいては、農政では農地法改正によって企業の農業参入が可能となり、農地を賃借する形であれば全面自由化となっている。また、個人及び法人を含め農業従事者による業務負担の軽減を目的に、人工知能(AI)や情報通信技術の向上が日々進んでいる状況である。無人自動運転トラクターや、鳥獣被害に対する見回り効率のためのドローンなどの積極的な「スマート農業」の確立が急がれている。
日本の農産物が品質面で国際競争力を持つ農業を確保するためには、先ず若い農業担い手が必要であり、それ故、使用目的に応じたドローンの上空操作の緩和も含め、大規模農地へと集約できる不動産法制・税制面でのさらなる抜本的な緩和や、個人農業所得税への個別税率緩和などが必要と考えられる。耕作放棄地の今以上の減少を食い止められるか正念場を迎えている。