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不動産鑑定・コンサルティング・情報分析 ハイビックス株式会社
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新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大期における不動産関連の市場動向について

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大期における不動産関連の市場動向について考察を行います。当該ウイルスは、2020年1月末頃から日本国内では感染が見られ、3月後半頃から急激な感染拡大が起き、4月末頃に概ね新規感染数の増加が収まりを見せているといった状況にありました。

その中で、まず東証REIT指数は、東京証券取引所に上場されているJ-REIT銘柄の時価総額の加重平均の指数となっています。3月に入り急激に下落していますが、3月19日には底値(1,145.53)となり、3月末には反転し、現在は徐々に回復傾向にあります。これは新型コロナ禍が深刻化するタイミングで先行して下落に大きく振れ、すぐに不景気に強い不動産の特性が表に出て、他の金融資産とリスクの対比や日本と他国との感染・経済リスクの対比が表れ、上昇に転じました。しかし他の市場とのリスクの相対的な対比が表れている状況なので短期的には当該数値は上昇する可能性が高いものの、不動産自体の値動きについては中期的には、実需の動きに左右されるものと思われます。

次に不動産等に係る企業間物価の変動として、企業向けサービス価格指数を取り上げます。総平均や不動産以外の指数は前月比では緩やかに下落傾向がみられるものの前年同月比をみると昨年よりも高い状況にあります。不動産に関しても概して同傾向ですが、4月の下落が-1.4%と相対的に高い状況にあります。他のサービスについては物価自体の大きな下落はまだ見られていないようですが、不動産に対する企業における物価は下落傾向を見せているようです。

不動産指標ですが、レインズにおける不動産取引データの集計ではありますが(すべての不動産取引が網羅されているわけではないことをご了承下さい)、大きな特徴は特に4月期には、中古マンション・新築戸建ともに成約件数が東京・大阪・愛知・福岡ともに-30~-60%程度と大きく下落していることです。(レインズで公表があり、傾向が把握できる中古マンション及び新築戸建データを取り上げています)

また価格についても中古マンション・新築戸建ともに成約については概ね下落傾向を見せており、在庫についても件数が概ね膨らんできている傾向にある。これらにより住宅については、市場滞留が大きくなっていることを表しており、価格下落や需給状況の先行きがある程度明確になるまでは不動産自体が動きにくい状況が続くものと思料されます。また実際の店舗・オフィス・住宅等の家賃等の動向が指標等や実際の取引事例データの蓄積、上記リートや大型不動産の投資状況等がより明らかになっていくにつれて、土地価格等への明確な波及が見えてくるものと考えられます。